2013年8月12日月曜日

2013年 第17回最終公演 Dzaleka


こんにちは。新エンスを演じさせていただいた石川です。
今回の記事は私が担当します。

2013年8月11日(日) PICOの最終日。
リロングウェから車で約1時間半の
マラウイ中部Dzalekaにある難民キャンプで行われました。


コンゴ、ルワンダ、ブルンジ等からマラウイに来ている人たちが、
子どもから大人まで開演前からたくさん集まってくれました。
日曜日ということで教会に行く人も多い中、本当にたくさんの人たちが来場。



今回は、難民キャンプという土地柄、
使用言語が人によって異なり、公演準備中にどの言語の案内が必要か、
直接人に聞いて確かめていました。フランス語、スワヒリ語、英語、チェワ語などなど。


さあ、最終公演スタート。
私を含め役者とスタッフの気合いがより一層入っていました。


観覧してくれた人数が多く、やや声が通りにくくなる場面もありながらも、
数々の実験に対する反応はとても良く、非常にうれしかったです。


気持ちが抑えきれず、立って見たくなる気持ちもわかります。


兄弟をおんぶしながらも見てくれるお姉さん。見に来てくれてありがとう。

真剣な眼差し。いい目をしてますね。


所長と家族のみなさんにも見て頂きました。ありがとうございました。
みんなで協力している活動の様子を見てもらえたことが素直にうれしかったです。


公演回数を重ねると、人からどう見えるのかを意識することができるようになって、
舞台がだんだん良くなっていっているのを実感できました。



今回のPICO、私は去年に引続き2年目の参加でした。
今年は、実験選びやストーリー構成から関わることができましたが、
公演期間中は体調を崩したり、急用が入ったりしてキャラバンに参加できないことも多く、
たくさんの人にご心配、ご迷惑をかけました。
自分としても悔しい気持ちもありつつ、
でも、他のメンバーが各地の公演で多くの人たちを楽しませている様子を聞いて安心したりもしました。


また、今年は主役を途中で引き継ぐということで、非常にプレッシャーを感じていましたが、
同期の中田さんに「何事も経験。今、失敗しても大丈夫。この経験が将来役に立つ場面が必ず出てくる」
と背中を押され、勇気を出すことができ、挑むことができました。ありがとうございました。


公演後、みんなでごはんを食べながら、今回のキャラバンを振返り。
今回、このメンバーでPICOができたこと、たくさんの隊員と協力して公演ができたことが本当に良かった。楽しかった。
という声をたくさん聞くことができました。私も同感です。


さらに、音響の俊ちゃんがこれまでの写真、動画のデータをまとめ、
PICO filmを作ってくれていました。(仕事が早い!!!!そして、素晴らしいクオリティ!!!!)
今年の公演で関わった人たちや公演準備・片付けの様子、子どもたちの笑顔、おもしろエピソードがふんだんに盛り込まれていて、
感動と面白さで涙が出るほどでした。ありがとうございました。



今回PICOを見に来てくれた皆さん、オーガナイズをしてくれた皆さん、
公演に関わってくれた隊員の皆さん、他の国から見に来てくれた皆さん、
JICA職員の皆さん、所長と家族の皆さん、ドライバーさん、
PICOを創って、今年もあたたかく見守ってくださった先輩隊員のみなさん、
そして、PICOメンバーのみなさん、本当に本当にありがとうございました。


今年のPICOはこれで終わり。来年のPICOもお楽しみに!!!

------------------------------------------------------------------

【本日の投稿者】

石川 里佳子(いしかわ りかこ) 24年度1次隊
マラウイ 理数科教師 マンゴチ中高等学校に配属
数学の授業を担当し、折り紙や現地にあるものを使って
目に見える・楽しい数学を目指した指導を展開。
その他、日本語・日本文化の紹介、近隣学校の先生との連携、研修会の実施支援などを行なう。
PICO factoryは2年目の参加。今年はストーリー作り、女の子Ence(エンス)役に挑戦。

2013年8月11日日曜日

2013年 第15回公演 Mitundu


南部ツアーを終え、しばらく帯同していなかったため、久し振りのPICOが我が、ミトゥンドゥでした。この日を楽しみに待っていました!

ミトゥンドゥはリロングウェ中心地から車で40分程しか離れていないものの、電気や水道が利用しにくく、また、この学区にはおよそ10,000人を超える小学生が通っている人口の多い地域でもあります。比較的商店なども多く、交通の便は良いものの、他の地域と同じで、様々な情報を入手する手段があまりなく、子ども達の教材となるようなものも少ない。

今日の公演で劇を見る楽しさや、理科の実験に興味を持ってもらえたら嬉しく思っていました。やはり、私は教師なので、子ども達の知的好奇心、大人たちの「知らない世界」を刺激したかったのです。


 まずは、前日。私の手製の看板を近所の子と一緒に持って歩いて、再度宣伝です。この子は恥ずかしそうに拡声器で宣伝してくれてましたが、最後の方には慣れた口調で堂々と宣伝してました。

当日は、始めは前日の予想と違って、あまり客足が伸びなかったですが、皆の協力で徐々に子ども達が集まりだしました。


こんな子も・・  さんざん行った宣伝の効果?!   どうやら「サイエンスショー」を「サイエンスコンピティション」だと思って、作品を作って持ってきてくれた子もいました。何げに、かなり精巧でした。

子ども達の楽しくも真剣に参加する姿に、ホッとするやら、嬉しいやら・・本音です。
こんなに生き生きとした様子が見れてピコに来てもらって良かったぁ~。
総勢200名位の入場者でした。


聴く時は聴く、ケジメをつけて見入ってました。真剣な表情って良いですねぇ。


入りきれない子は窓から乗り出して見てました。「見たい・知りたい」っていう気持ちの現れですかねぇ。体調不良で休養をとっていた石川さんも張り切って復帰しました。


ちょっと新しい試み・・ 日本の学校ではよくありがちな光景ですが、ショーの終わりに、子供代表からのお礼の言葉を言ってもらいました。緊張しながらも、ちゃんと言ってくれました。

ショーも無事終わり、隣接する我が家で記念撮影です。皆、飛んでます。

食事は4種類のおかずとシマでした。うちの住宅警備員たちの渾身の昼食でした。皆さん、ご苦労様、そして、ありがとうございました。


初めて、うちの任地にこうした協力隊員の巡回ツアーに来てもらいました。他の会場の時はあまり感じませんでしたが、自分の任地となると、何だか責任やらプレッシャーを感じてしまって、妙に疲れました。でも、心地よい疲れでした。

普段なかなか見ることのない、実験と劇、頭と心をフルに使う機会でした。こうした取り組みは、確かにすぐには結果や成果は出ないかもしれません。我々の自己満足となることも有り得ます。しかし、こうした「草の根」レベルの活動を地道に行うこと(協力隊員ならではの強み)以外に、将来の明るいマラウイは望めません。
とても手作り感があり、意味深く、それでいて地味で、しかし革新的な活動だと思いました。


中田 貴之(なかた たかゆき) 24年度1次隊
マラウイ、青少年活動隊員、ミトゥンドゥ教師研修センターに配属。
主にExpressive Artsにおける教員への助言・指導をしたり、放課後のクラブ活動の運営をしている。今回は、ショーの前に会場に子供たちを集めたり、日本紹介、裏方の黒子などを担当している。


2013年 第14回公演 NSANAMA

いよいよ自分の任地であるNSANAMAでの公演。
公演前日、久しぶりに任地に戻ったところ、
何か自分の名前を知ってくれている人が多いような…
歩いている時に、声を掛けられる回数が
なんとなくいつもより少し多いような気がしました。
ひょっとしたら僕が、このサイエンスツアーに出ている間に、
今回のサイエンスショー「PICO factory」が宣伝されていたのでしょうか。
当日は、子供たちが多く集まってくれそうな予感…

当日。
まずは呼び込みから。





メガホンを使って、現地語で案内を叫んでいる途中にちょこちょこ
全く関係の無い「石や~きいも」や「さおだけ~」なんて言葉も。
さらには「ドラゴンボール」のテーマ曲を歌っていると、
いつの間にか、沢山の子供達が集まってきていました。


いよいよ開始です。
ムスリムの地域のため、最初と終わりにお祈りをします。
今回のツアーでは初めてのことです。
 また、場所によって、参加してくれる人達の色が出ます。
今回の公演は、招待した同じ地区の学校の先生以外は、子供達のみ。
全員で300人くらいはいたでしょうか。




今回は、「サイ」の役が代わりました。
今年の「PICO factory」も終わりに近付いてきたので、
来年のことも少しは考えなければなりません。




やっぱり、「卵のり」は子供達にとって興味深い実験なようです。





会場に入りきれなかった子供達が、窓の外から必死に覗いてくれていました。





子供達のこんな真剣な姿を見て、自分の任地でやってよかったな、と思いました。
また、個人的には、自分の生徒達が何人も参加してくれていたことが嬉しいことでした。
しかも、Form3(中学3年生相当)の彼らにとっても非常に興味深い実験の数々だったようです。





いよいよ、南部ツアーも終わり、首都に戻ります。
今年の「PICO factory」も残すところ、後4公演です。
最後まで全力で突っ走ります。




【本日の投稿者】 西山 裕(Yutaka Nishiyama)

2013年8月8日木曜日

2013年 第13回公演 Mulanje

2011年に始まり3年目のPICO factoryキャラバン。
これまでマラウイ国内たくさんの地で公演をしてきました。

そんな中、唯一の3年連続公演となるMulanjeへ行ってきました。
マラウイ最高峰のMulanje Mountainの麓の町です。



一昨年・昨年の公演後には
ユースクラブの活動で実験にトライしてくれるなど、
その後につなげてくれている地域です。


そんな3年目の公演となったMulanjeで、
私、新(あたらし)が、初となる“女性Dr. PICO”をやらせていただきました。

ちょっと私的なブログになってしまい恐縮ですが、
過去の経緯も含め、
いろいろ思うところのあった今日の公演について書かせてください。

私にとっても3年目のPICO factory。

◆1年目(2011年)

先輩隊員さんが取り組まれていたものを、
一人の観客として観にいかせていただきました。
マラウイに赴任して間もなくて、
「いいなあ」と思いながら、参加することができず少し歯がゆい思いをしました。




◆2年目(2012年)
キャラバン隊の一人として参加させてもらい、
無声劇の登場人物の女の子、Ence(エンス)を演じさせてもらいました。




◆そして、3年目(2013年)
キャラバンのオーガナイザーをさせていただき、
加えて、前半は昨年に引き続きEnce役、
後半は、新しい役者さんにバトンを渡し、
裏方やサポートの黒子さんとして参加してきました。


それぞれ違った取り組み方をしてくる中で
いろんな面を見てきたPICO factory。
どのポジションも、その人達にしかできないこと、
見えないものがあると感じてきました。

配属先の活動も終わり、このキャラバンが終わった直後、
私のマラウイでの任期は終了し、日本に戻ることになります。
なので、今年のキャラバンが
自分が直接かかわることのできる最後の回となります。

そこで、みなさんにわがままを言わせてもらい、
まだ唯一(?)自分が見ることができていない世界…
見に来てくれた子どもたちへ、
実験の解説を含め科学の面白さを、
そして、彼らの未来へ向けたメッセージを語りかけることのできる
Dr. PICO役を、やらせていただくことにしました。



さて、実際にやってみて。



ちゃんとDr. PICOのトレードマーク、メガネとひげをつけてです。

子どもたちに最前線で触れることができる、Dr. PICOの役。
現地語(チェワ語)の台詞を言いながら、どんなふうにできるのか、
可能な限り会場の子どもたちを見て、感じて、色々なことを考えました。

伝えることの難しさ、
伝えられないことのもどかしさ、
伝わることの嬉しさを、その一瞬一瞬に感じることができました。


子どもたちのまなざしを感じます。



今年初めて演じている役者さんたちもすっかりベテランに。
子どもたちをがっちり惹きつけています。



子どもを呼んで、より近くで一緒に科学を楽しむ場に。




Dr. PICOとして、
子どもたちをショーの空気に乗せること、
ひとつひとつの実験の解説、
・・・大切なことはたくさんあります。

でも、その中でも、Dr.PICOをやらせていただく上で
私が大事にしたかったもの。
PICO factoryが始まった2011年からほぼ変えていない、
ショーの最後、Dr. PICOから子どもたちへのメッセージがあります。




ちょっと長くなりますが、
PICO factoryでとても大切な言葉。ご紹介させてください。

=======
Zikomo kwambiri.
ありがとう。

Kwa lero tilekeze pomwepa.
今日はこれでおしまい。

Koma ndilindi mawu pang’ono.
でも最後に君たちに伝えたい事がある。

Zonese taona zi ndi sayansi.
今日、君たちが見たもの、全てはサイエンスじゃ。

Sindine wamatsenga kapena sing’anga.
わたしはマジシャンでもなければ、ウィッチドクターでもない。

Ndine wa sayansi.
わたしはサイエンティストだ。

Mudzkhala wa sayansi ngati ine ngati mutalimbika.
そして、君たちも望んで、勉強すれば、わたしのようになれる。

Muli ndi luso lokwana.
君たちなら十分素質がある。

Muone bwinobwino, lingalirani mozama ndipo yesani.
よく見て、よく考えて、最後までトライし続けること。

Tsogolo la Malawi lili m’manja mwanu.
マラウイの将来は君たちにかかっている。

Ukhoza kukhala m’modzi wa inu kapena iwe kumene.
この中の1人でもいい。君か?いや、君かも知れない。

Ndikuyembekezera kuona inu mukusinta umoyo mmalawi chifukwa cha sayansi.
サイエンスの舞台で活躍し、マラウイをより良くしてくれるのを楽しみにしている。

Zikomo kwambiri chifukwa cha kubwera kwanu.
今日は、来てくれて本当にありがとう。

Ngati mphataso yomariza, ndikupatsani Malawi a chikhulupiriro.
僕から最後の贈り物として、君たちに希望の炎をプレゼントしよう。

musasokonekere.
よーく見ておくんだよ。

=======

と。

そして今日は特別に、女性Dr. PICOとして
女の子が前に出れる機会まだまだ少ないマラウイにおいて、
「この中の1人でも…」の台詞に続けて、

Anyamata …ndi Atsikananso, ngati ine.
男の子。そして、女の子も。私のようにね。

という言葉を勝手に付け加えさせてもらいました。
サポートに来てくれていた、Mulanjeの女性隊員さんが
そのフレーズに気付いてくれていて嬉しかったです。


新たな役をやってみて気付くことはとても多く、
「もっと良くできたのに」と思うところもたくさんあります。

それでも、この、Dr. PICOの最後のメッセージを
直接子どもたちに向けて話すことができたこと
そのことは、3年間PICO factoryを見てきた身として、とても大きなことでした。

見に来てくれたMulanjeの子どもたちのうちの一人にでも・・・
・・・どの実験も興味深そうに見て、うなずいてくれていたあの男の子、
・・・最後、「女の子もね」と指さした時に、はにかんでいたあの女の子、
誰かひとりにでも、届くものがあったらいいな、と思います。


様々な要素や、多くの人の力を組み合わせて
場を作り上げるPICO factory。
いろんな面を見ることで(音響は・・・やってませんが。。)、
それぞれから見えるものを知ることは非常に興味深いです。

それらを合わせることで、
よりよいショーを作っていけるのではないかなと思います。


今回は、メンバーみなさんからの後押しを受けながら、
貴重なDr. PICOを経験させてもらいました。
特に、前夜の練習(ひたすらチェワ語台本を話す)につきあってくれ
本番中も舞台裏で励ましてくれた同期の平塚隊員。ありがとうございました。


------------------------
さて、今日の実験紹介です。
Dr. PICOが最後のメッセージの後に見せる、「希望の炎」。
グリセリンと過マンガン酸カリウムの混合による強い発熱反応
(過マンガン酸カリウムが強い酸化剤として働きます)で発火させる実験です。



子どもたちだけでなく、大人もびっくりの実験です。
------------------------

2013年のキャラバンも終盤に差し掛かってきました。
残り公演もみんな全力でがんばります。


==
【本日の投稿者】



新江梨佳(あたらし えりか) 23年度1次隊
マラウイ、理数科教師 ンサル中高等学校配属。
配属校で生物学の授業を担当するほか、
サイエンスクラブや近隣学校間の連携作りなど、
周囲の生徒・教員を巻き込んでの活動に取り組む。
PICO factoryでは、女の子Ence(エンス)役で2年間の参加。
今回、最初で最後のDr. PICO役を演じた。
blog: http://ameblo.jp/atarashierika

==

2013年 第12回公演 CHIRADZULU


12回公演はChiradzulu(チラズル)です。

チラズルはマラウイ南部に位置し、ブランタイヤとゾンバの間にあります。



今回、お世話になった会場はMary View School Hall.



PICOワゴンが到着すると、会場の中にはもう何人もの人が集まっていました。



どうやら、教員向けの研修とサイエンスショーがダブルブッキングしてしまっていたようで、

集まっていたのはそのためだったのです。



オーガナイザーである渡邉隊員が話をつけて、サイエンスショーが無事、本日公演できることになりました。

  

そして、本日のサイエンスショーの人員配置が発表されると、おのおの持ち場で段取りを進めていきます。



まずは、お客さんの呼び込みで集落の中を宣伝して歩き回ることが私の仕事です。



海外では犯罪にあわないように「目立たない」という原則がありますが、


お客さんの呼び込みで必要とされているのは逆に「目立つ」こと。


より多くの人の眼を引き、興味をもってもらうためにはどうしたらいいか、


戸惑いの連続です。



とりあえず、何でもチャレンジということで、



「い~しや~き~い~も~♪おいも!」



と恒例のアナウンスから始めます。



今日は1時間ほど、メガホンをもって「おいでー!おいでー!サイエンスショー始まるよー」と

言って歩き回ったのですが集まってくれたのは45人。



現地の人にメガホンで宣伝してもらったり、音楽を流してみたり、一人一人に声をかけてみたりと

いろいろ試してみても、集まってくれたのは10人前後。



人を集めることの大変さを感じます。



開演まで時間もなくなり会場に戻ると、そこには研修で集まっていた現地の教員の方々がサイエン

スショーのためにその場に残っていてくださり、満員御礼です。



会場の7割ほどを大人の方で占めていますが、満席になっていることに一安心です。



そして、いよいよ青少年活動の隊員による前座の時間がはじまります。



今回は私が担当させていただきます。



事前に現地の方に通訳をお願いして、いざ。



地図上で日本の位置を確認した後、簡単な日本語のあいさつ紹介をします。






ただの“外人”が何かショーをしているのではなく、

“日本人”がサイエンスショーをやっている。


と、見に来て下さった方に少しでも覚えておいてもらえたら、嬉しく思います。


もし、その国の位置や言葉を少しでも知ることができたのなら、

それだけで、前より身近に感じられる国になるのではないかなと思います。



そんな思いをのせて、子どもに問いかけます。



「日本はど~こだ?」



すると5歳ぐらいの少年が勢いよく手をあげます。



彼を指名するとスタスタと舞台の正面まで来て、周囲の不安げな眼差しをよそに、地図でバシッと日本を指します。



大正解です。



これには会場全体が驚いているかのように拍手がわきあがります。



その流れで、日本語の「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」を紹介して、前座を終えました。





すると、いよいよサイエンスショーが始まります。



実はこのサイエンスショー、科学とはまったく関係ない場面が一つだけあります。



それは、私の唯一にして最大の出番!



そう。 ショーの幕開けに、朝を知らせる“ニワトリ”のシーンです。



開演時の観客の緊張を一気に崩すための力技の演出です。



首の動き方から餌の探し方まで、ディティールにこだわり演技させていただきました。



ニワトリの退場とともに、会場中に巻き起こる笑いで、任務完遂です。



ここまでで、サイエンスショーの私の役目は8割を終えます。



しかしながら、ここからサイエンスショーは本編を迎えます。





本編については、今回も大きな失敗もなく無事終了しました。











ところで、このサイエンスショー。



理数科教育以外の面からも子どもたちに対して、アプローチできているのではないのかな思います。



もちろん科学に対する好奇心を刺激し、将来の科学者を生み出すかもしれません。



しかしそれだけでなく、もっと言うと、「子どもの感性を育む」ことにも当てはまる部分が多いです。



たとえば、このサイエンスショーには、「不思議だなー」と感じたり「すごい!」と驚いたりするような実験がたくさんあります。


 


鑑賞することを通して、子どもがその面白さや楽しさ・よさを感じ取ることができます。



それは同時に、子どもが感じたことや想像したことを絵や音楽・ダンス・言葉に表す力にもなります。



これらは一時的なものではなく、持続的に働くものであり、その積み重ねの一つをサイエンスショーは担っています。



理科だけでなく様々な領域で、子どもの成長によりよい影響を与えることは、理数科教師隊員の活動としてのものだけでない可能性を感じます。



また、なにより私自身が、このサイエンスキャラバンに帯同させていただき、得るものが大きいなあと感じる日々です。



現地語や現地の子どもとのかかわり方などの技術的な面。



長距離を移動しながら見知らぬ土地でも活動していく自信。



同じ志をもって協同する仲間。



これらは自分の任地に戻り、本来の活動を行う上でも今後、必ず糧になるのではないかなと思います。



マラウイで協力隊の活動を行えていることに感謝いたします。



少し余談過ぎたこと、ご容赦ください。






【本日の投稿者】



坂田 真吾(さかた しんご)

24年度4次隊 マラウイ・青少年活動隊員

マタピラ教師研修センター配属

PICOでは、客寄せ・前座・ニワトリ・黒子 担当

2013年 第11回公演 BLANTYRE

Blantyre公演。会場は、Ndirande hill Primary School。
丘の上にある綺麗な小学校。
この学校は私たちボランティアの配属先でも巡回先でもなく
以前、PICOfactoryをMBC(マラウイのテレビ局)で収録した際に協力を頂いた学校です。


学校にはどうやって入るのだろうかと探していると、小さな小さな紳士ひょこっと現われ、学校まで誘導してくれました。

休暇中にも関わらず、学校に入るとすでに子どもたちが。
オーガナイザーである先生が、事前に子どもたちを集めて下さっていたようです。
すごい。感謝です。
そして、歩けば子どもが磁石のようにくっついてくる、青少年隊員の力も加わり、会場は満員に!
ミニバスに劣らないすし詰め状態。





舞台に立つと、子どもたちのまぁるい目がたくさん。




毎回好評の“卵乗り”

卵に乗りたいひとー??

たくさんの手が挙がります。



その中から選ばれたのは…

道案内をしてくれた小さな紳士です。




今日もたくさんのキラキラに出会えました。





この日はBlantyreのMBCで活動している隊員さんが同僚のマダムと取材に来て下さいました。


インタビューに応えるDr.PICO



こんな風に隊員どうしの活動が繋がり広がっていくのは素敵なことだと思います。



でもやっぱり一番素敵なのは
子どもたちのキラキラした眼差し。

こんな顔を見ると私たちも幸せな気持ちになりますね。




本日の投稿者
=======================================================================

近岡史絵(ちかおかふみえ)
24年度3次隊 マラウイ・理数科教師
チンゴンベ中高等学校配属。
配属校で生物・数学の授業を担当するほか
学区内でのサイエンスフェアー等、
近隣校との活動にも取り組み中。